東ティモールコーヒーの特徴

 東ティモールにおけるコーヒーは、1815年にポルトガルの総督が、ブラジルから持ち込んだのが始まりと言われています。

1860年頃には周辺国とコーヒーの取引が行われるようになり、1900年代前半には大規模なプラテーションが作られるまでになります。

1975年、いよいよポルトガルから独立できるというタイミングで、インドネシアの占領下となり、インドネシア軍の設立した会社がコーヒー貿易を独占。しかし、インドネシアがコーヒー栽培を重要視していなかったことから放置され、無農薬で化学肥料を使わない栽培方法が定着しました。

1994年からコーヒー貿易は解放され、2002年の独立前後から民間企業やNGOが参入し、産業として再び活性化してきました。

 

ところで、いきなりですがみなさんコーヒーの種類についてご存知でしょうか?

コーヒーの品種はカネフォーラ(ロブスタ)種とアラビカ種の2種類に分けられます。

 

カネフォーラ(ロブスタ)種

• 病気や害虫に強いためロブスタ(robusta=強い)種とも呼ばれる

• 葉が大きく、実が多くつくので1本の樹からの生産量が多い

• 染色体は二倍体で自家不稔性(多家受粉)である

• カフェインなどの水溶性成分がアラビカ種より多いため、インスタントコーヒーなどの原料や安いブレンドの増量用に使用される

 

アラビカ種

• 高地での栽培に適している

• さび病や炭そ病などの病害に感染しやすい

• 染色体数は四倍体で自家稔性(自家受粉)である

• 酸味があって風味がよく、ストレートの飲料に適している

 

簡単に言うとカネフォーラは低地で育ち、病虫害に強く生産量も多いけど品質はアラビカに劣る、アラビカは高地で育つため土地が限られており、病虫害に弱い故に生産量もそれほど多くないけど品質が高いということですね。

 

東ティモールでは、1000m以下の土地ではカネフォーラ種が主に生産され、それ以上はアラビカ種の生産がなされています。

 

通常アラビカとカネフォーラは染色体の数が違うため交配することがない(交配しても種が出来ない)のですが、東ティモールのエルメラ県ファトゥベシで偶然交配した「ティモールハイブリッド」が1927年に発見され、高品質かつ病虫害に強いことから1953年に他国にも持ち出され、品種改良を重ねたものが現在の世界のコーヒー市場に多く出回っています。東ティモールには当時発見された原木がまだ残っています。

 

 レテフォホのコーヒーの特徴

 

レテフォホは東ティモール最高峰ラメラウ山のふもとに位置し、標高が1500~2000mという高地であり、日中と夜間の温度差が他地域に比べても大きく、雨季には降雨量が2500〜3000ミリに達するため、東ティモールの中でも特にコーヒー栽培に適した土地と言われています。

 

農薬や化学肥料を一切使用したことがないピュアオーガニックの恵まれた土壌に育まれ、ネムノキに守られのびのびと自然栽培され、生産者によって丁寧に手摘みされます。

 

長い混乱の中で手入れがされず、植え替えられる事がなかったので、アラビカ種の中でも原種に近いティピカ種が残っています。

品種に関する正確な分類は不明な点が多くあり、定義づけは困難ではあるのですが、幹の形、枝の生え方、葉っぱの色から、レテフォホのコーヒーはティピカ種だと言われています。

 

これまであまり手入れがなされてこなかったため、1本の樹からの収穫量は少なく、樹高も高いため、木を引っ張ったり、木に登って収穫を行います。

 

【樹高の高さから木を折り曲げて収穫する】

 

【木に登って収穫することも】

 

 

 

赤い実だけ一粒一粒丁寧に手摘みされたコーヒーチェリーは、古タイヤを再利用した水槽に入れ、浮いた未熟豆や虫食い豆を取り除きます。

 

選別につぐ選別を重ねた後、手動の果肉除去機でチェリー部分を脱肉しパーチメント(外皮付きコーヒー)と呼ばれる段階にし、再度水に浸し、不純物を取り除きます。

 

【手動の果肉除去機で脱肉している様子】

 

 

 

その後、水に浸したまま24〜48時間、発酵し水洗いします。発酵させることにより、ミューシレージと呼ばれるぬめりを分解し、コーヒーの味がクリーンになると言われています。

 

【古タイヤを再利用した水槽に入れ、発酵させる】

 

発酵と水洗いが終わったら、ビニールシートもしくはアフリカンベッド(乾燥棚)で10日ほどじっくり天日乾燥させます。

 

【アフリカンベッドを使用してパーチメントを乾燥させる】

 

 

 

こうして乾燥されたパーチメントをPWJが買い付けを行い、さらに水分値を均一にするためグリーンハウス(乾燥用温室)にて再度乾燥します。

近隣のコーヒー農家さんたちを乾燥工程アシスタントとして雇用し、乾燥工程がどれほどコーヒーにとって大切なのかということも指導しています。

 

【グリーンハウスでの追加乾燥の様子】

 

グリーンハウスでの乾燥が終わると、約1ヶ月レテフォホにある倉庫にて保管します。こうすることで、コーヒーのトゲトゲした青々しさが落ち着くと言われています。

 

【PWJレテフォホ倉庫の内部。最盛期には天井いっぱいまでコーヒーが積まれる】

 

 

 

約1ヶ月、コーヒーパーチメントを寝かせてから首都ディリに運びます。

多いときは10台以上のトラックが大行列をなし、約3時間かけて険しい山道を下ります。

 

【レテフォホから首都ディリにある脱穀施設へ輸送】

 


【レテフォホからディリまでの道路は未だ険しい】

 

 

険しい山道を経て、コーヒーパーチメントはディリの二次加工施設にて、脱穀と再度選別を施され、生豆(グリーンビーンズ)と呼ばれる種子だけの状態になります。

この状態になってようやく、日本や他のコーヒー消費国に輸出できます。

 

【首都ディリにてパーチメントから生豆へ加工】

 

【生豆を麻袋に詰め輸出準備完了!】

 

 

 

こうしてたくさんの人の手間と時間がかけられたレテフォホコーヒーは、スムースな舌触りで爽やかな酸、クリーンで繊細な味わいながら、しっかりとした苦味と甘みを持っています。