【第七回「ティモールという異文化の社会を訪ねて」】

こんにちは。日本は夏が終わったと友だちから連絡がありましたが、東ティモールでも乾季が終わり、雨季が始まりそうです。

ずっとレテフォホにいました。週末に下山しました。1ヶ月以上レテフォホにいた日本人は、僕が初かもしれないそうです。レテフォホで一緒にコーヒー豆の品質管理や、農園に出向いての買い付けを行った東ティモール人の仕事仲間は、テトゥン語の拙い僕の言葉を理解しようと耳を傾けてくれたり、僕を生活の営みに混ぜてくれたりしました。買い付けのためにエルメラ県中をトラックで駆け回ったのですが、その時に見た雄大で美しい山々の姿は一生忘れないと思うくらい綺麗でした。彼らのおかげでテトゥン語も使えるようになってきました。下山後、借家の大家に言語の上達を驚かれました。とても嬉しかったです。今週もこれからレテフォホに上がります。恐らく最後のレテフォホです。目一杯仲間たちと会話をして、ものを見て、後悔ない日々にしたいと思います。



また、先週はオーストラリアからゲストの方が来られていました。彼らとは英語でコミュニケーションをとったのですが、わからないことが多く、英語を習得する重要性を再確認しました。”boss”という言葉を、日本で使用する際は少し気恥ずかしく思ってしまいますが、海外では常用する言葉であることを知り衝撃を受けました。そのような、使用する語彙が日本での想定と実際のグローバル社会では大きく異なることを訪れるゲストとの交流で強く思います。学校の勉強が大切である実感もこの東ティモール体験で得ましたが、その他にも生きた英語との交流も、コーヒーの世界で生きるためには必要だと強く思います。



今週末はディリ内を散策していました。マイクロバスを乗り継いでキリスト像前のビーチへ行き海を眺め、気が済めば市街へ戻り行きつけのハンバーガー屋で昼食を済ませ、その後ティモールプラザに向かってフラフラと歩く。そのような週末の過ごし方を繰り返しています。札幌近郊に住んでいると、海を見る機会が貴重なため、何度見ても飽きることなく美しいと感じます。



ティモールプラザでは黒糖タピオカミルクティーが売っていました。前々から気になっていたので、好奇心で飲んでみました。黒糖ミルクティー自体は甘すぎる風にも思えますが全然飲むことのできる味で、しかしタピオカは1粒1粒が小さくさらにどろりと蕩けており、あまり美味しいと感じられませんでした。しかし東ティモールでタピオカを飲めたという経験は、何だか面白くて素敵だなぁと感じました。





ティモールの歴史を展示した、ミュージアムにも行きました。表記がテトゥン語と英語と、あまり知らないもう1つの言語の3種類で、わからない単語を飛ばしながら頑張って読み進めました。ここでも一層、英語の習得の重要性を感じました。コーヒーがどこから来たのかについても小規模ですが展示が行われており、興味深かったです。独立戦争当時の映像や、実際に当時使用されていた物が展示されており、今までの人生の中で1番、戦争の質感を感じる時間でした。今まで安全に在住していたエルメラ県でかつてこのような悲劇が起きていて、それを経て今のティモールに僕は立っている ということを、今まで以上に身にしみて理解しました。

コーヒーについても学び多い週でしたが、文化的側面についても考えることの多い、充実した日々でした。残り2週間と少しでこの日々も終わりを迎えるという実感があまりありません。しかし終わってしまった悲観することがないよう、悔いなき日々を過ごすために、良い日を過ごしていきたいです。

 【颯人通信目次】

第一回「コーヒー好き高校生、初海外でティモールへ!」

第二回「初めてへのワクワク、美しい伝統文化」

第三回「楽しい生活とおいしいコーヒー」

第四回「恋しい日々、恋しい出会い」

第五回「溢れるほどの星空と、異文化交流」

第六回「コーヒーの魅力と、未来への期待」

第七回「ティモールという異文化の社会を訪ねて」

第八回「終わりが近づく!気づきや確信」

第九回「2019最後の東ティモールより」

第十回「帰国、それから」


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