【第三回「楽しい生活とおいしいコーヒー」】

東ティモールでの暮らしにも、ようやく慣れ始めてきた気がします。先週は、(早く過ぎ去ったような、ようやく2週間が経ったという心地のような…)ということを書いていたのですが、今週は本当にあっという間でした。東ティモールに滞在できる期間のおおよそ1/3が終わってしまったのかと思うと、毎日をもっと噛みしめなければと思います。

最近はコーヒーのグリーンビーンズの水分含有量を調べています。その際に生豆を保存しているジップロックを開けるのですが、その時に放たれる自然の雄大さと優しさを思わせる爽やかな香りに毎日やられてしまいます。いい香りの豆に出会った時にはその豆にあった焙煎がしたい!とモチベーションがとても上がります。また、焙煎も毎日継続して行わせてもらっています。何度か理想的な甘さや酸を出すことができました。今はそれを狙って出せるよう微調整を繰り返しながらグラフを作ったり、考察をしたりしています。

色いろな工程を見せていただいたり、参加させていただいたりしている中で、10を100にするような、コーヒーを抽出する過程は風味の豊かさを作り出す行為ではなく、100をできるだけ100のまま留めるように、もともと風味が豊かで美味しい豆の魅力をどれだけ損なうことなく出せるかという行為なんだなぁと痛感しました。

東ティモールでは街をうろついているとよくグラフィティアートと出会います。アーティスティックなものが多く、見かけるたびに写真を撮ってしまいます。夕暮れ時のたくさんのバイクと青年たちの大きな声が行き交う街は青春らしさがあって、歩いているだけで楽しい気持ちになります。他にもハンドサインの文化や街中で低音をきかせた音楽が鳴り響いているところなど、そこにいるだけで楽しくなってしまうようなものがディリ市内にあふれています。

 

 


コーヒーのカッピングや二次加工を委託している工場での作業等、様々なことをさせていただけていて、その一つ一つに気づきがあり、本当に充実した日々です。また眼に映るものが本当に美しく、どうにかそれを保存して日本の友人に見せるために、カメラを練習し始めています(文章と一緒に投稿している写真も稚拙ながら僕が撮影したものです)。趣味のものではありますが、上達していけたらなぁと思っています。

 【颯人通信目次】

第一回「コーヒー好き高校生、初海外でティモールへ!」

第二回「初めてへのワクワク、美しい伝統文化」

第三回「楽しい生活とおいしいコーヒー」

第四回「恋しい日々、恋しい出会い」

第五回「溢れるほどの星空と、異文化交流」

第六回「コーヒーの魅力と、未来への期待」

第七回「ティモールという異文化の社会を訪ねて」

第八回「終わりが近づく!気づきや確信」

第九回「2019最後の東ティモールより」

第十回「帰国、それから」


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