【第八回「終わりが近づく!気づきや確信」】

こんにちは。東ティモールでの生活も終わりが近づき、寂しさが込み上げて来ます。この通信もおそらく後3回ほどで終わりを迎えます。のちに後悔のないよう、書きたいことを書こうと思います。

先週は一時、体調を崩してしまいレテフォホに上がってたった1日で下山してしまいました。レテフォホで一緒に働く現地の人たちは僕が改めてレテフォホに訪れたことをとても喜んでくれて、芳しくない体調の様子をとても心配してくれました。彼らとの生活の中で、友情を少しでも築けた事実を確かめることができ、心がとても暖かくなりました。

体調は下山後すぐに回復し元気になりました。東ティモールではそのような、”確かめる”という動作に心動かされることが多かったように思います。コーヒーが作られている様子を知識から実際の見聞にしたい!という思いで来たこのインターンシップですが、知識として得ていれば見落としていたであろう、生産に携わる人々の愛が駆け巡る様や、生産国それぞれに文化が存在しそれを尊重しながらも新しいことも取り込んでいく難しさ、しかしそれが両立された時の素晴らしさ、、、というような”言葉にすれば分かったつもりになれるが、経験しないと得られないこと”の存在を確かめ、自分の中に少なからず落とし込めたことが、意義深い経験でした。経験に基づくこと、確かめることはとても重要なプロセスで、それを得るためには行動に移す重要性がある ということを最近とても強く感じます。この教訓を得れただけでも、今夏に東ティモールに来た意味があったと確信できます。本当に多くの素敵な気づきを得られました。


東ティモール内でお米や野菜を作っている集落にも行きました。他国の援助を受けつつも、オーガニックの環境下で栽培された大きく元気な野菜が大量に生産されており、日本では考えられないほどの安価で販売されていました。東ティモールでは多種多様な果物と野菜がいろんなところで販売・生産されており初めて食べる果物も多く、とても楽しいです。その中でもアヤタと呼ばれる果物が美味しく、よく買って食べています。外見は深緑のゴツゴツしたラグビーボール型の果物なのですが、中には真っ白の果肉と黒い種が詰まっています。その白さに最初はたじろいだのですが、とろけるような食感と衝撃的なほどの甘みにすぐ虜となり、頻繁に食しています。

金曜日にはディリのカフェで、カッピングを兼ねたミーティングに参加させてもらいました。ティモールでのコーヒーカルチャーの進み方についてやピースウィンズとしての展望について、テトゥン語での討議だったので断片的な理解でしたが、聞くことが出来とても刺激を受けました。またカッピングでは何度もカッピングを重ね舌の肥えたスタッフたちと、自分の好みが大きく異なっており衝撃を受けました。自分の好きな風味も大切にしたいという思いとともに、標準的に好まれる風味の感覚も掴みたい、掴まねばならないなと思いました。



ここ数日は数多く焙煎をさせてもらっています。今までにとったデータから、おいしいコーヒーを平均して焙煎できるようにしたり、今までに見聞きした焙煎の方法論を実際に試したりと色んな実験を行なっています。焼き方一つでコーヒーの見せる表情が大きく異なることを実感します。淹れたての暖かさから冷たくなるまでの中でも大きく風味は変わっていくので、たくさんの味わいが楽しめて、かつずっとおいしいコーヒーが焼ける方法を探していきたいです。

今週末に、海辺の道路をタイスと呼ばれる東ティモールの伝統的手織りものを着た人々が行進する行事を目撃しました。たくさんの人々が色とりどりのタイスを身に纏い、伝統的文化に誇りを抱きながら歩くその姿は衝撃的で、感動を覚えるほどでした。また東ティモールに在住する日本人の集まりに参加させてもらいました。JICAの方からたまたまティモールに訪れていた旅人まで、多様な方がそこにはいてとても刺激を受けました。勇気付けられる言葉をたくさんいただいて、また一つ 夢を叶えたいな と思わされる原動力となりました。





良い時間を過ごしているな という実感を最近とても強く感じます。きっとこの日々は未来に振り返った時、人生の大きなハイライトになるという確信があります。得たものをこれからの日々に継げるように、これからの日々も、特に残り10日を切ったこの日々を、精一杯過ごそうと思います。

 【颯人通信目次】

第一回「コーヒー好き高校生、初海外でティモールへ!」

第二回「初めてへのワクワク、美しい伝統文化」

第三回「楽しい生活とおいしいコーヒー」

第四回「恋しい日々、恋しい出会い」

第五回「溢れるほどの星空と、異文化交流」

第六回「コーヒーの魅力と、未来への期待」

第七回「ティモールという異文化の社会を訪ねて」

第八回「終わりが近づく!気づきや確信」

第九回「2019最後の東ティモールより」

第十回「帰国、それから」


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