【第十回「帰国、それから」】

東ティモールでの日々が終わり、10日ほどが経過しました。日本での生活にすでに慣れが生じてきており、あの夏は夢のようだったなと最近、強く思います。札幌はおおよそ10度で冷たいですが、思えばレテフォホの方が寒かったなと感じます。あの凍えるような冷たさは札幌の冬と肩を並べる気がしています。

3ヶ月間、ほとんど毎日日記をつけていました。最近それを見返しています。自分の自意識の恥ずかしさみたいなものがいっぱい詰まっていて少しずつしか見られていないのですが、熱狂に触れて興奮している自分がそこにいて、これが終わってしまったのかと寂しくなります。また日常のふとした時、例えばバイクが街を走る姿を見かけたり、東ティモールのラジオからよく流れていたエドシーランの音楽が聞こえてきたりすると日々を思い出して帰りたくなります。

帰国後すぐに学校の修学旅行に参加していました。今までカトリック文化を見ていたから、京都の寺院や神社の文化を見て違いや共通点を探せて、それが嬉しかったです。また、東ティモール人の上司の方がよく登ったことを僕に自慢していたあべのハルカスの実物を見ることができました。そのように、生活の中に今夏の日々が染み付いていて、すごい体験をしてきたなぁとしみじみしています。

20日に、東ティモールでの日々について報告したり、自分で焙煎や加工に立ち会えたコーヒー豆を提供したりする機会をいただき、行ってきました。色んな方にコーヒーの酸の華やかさや、クリーンな口当たりをこんなにおいしいんだね!と驚いてもらえました。報告の構成だったり、流暢に話すことだったりと、反省もありましたが、多くの方に東ティモールの素敵なところやコーヒーがおいしくなっている最近のことが伝わったのなら嬉しいな、と思います。これからもそのような活動は継続して行なっていきます。





留学する前よりもコーヒーを家で飲む頻度が段違いに多くなりました。以前よりも、コーヒーの虜になってしまったなぁと、強く感じます。知識を得たり、淹れ方の工夫をしたり、コーヒーでの楽しみ方は尽きることがないほどたくさんあります。より素敵な一杯を淹れられるよう、これからも続けていきます。

一度札幌から飛び出したからか、見える景色が以前よりも美しく感じるようになった気がします。1ヶ月同じ時を過ごした大学生の方との出会いだったり、初めて出来た関西にくらす知り合いの方だったり、行かなければ出会うことのなかったような素敵な大人たちだったり、、、まだまだ知らないだけで楽しいことがたくさん世界にはある!みたいな期待感で胸がいっぱいです。東ティモールに行った。そこで何かを得た。ということがピークにならないよう、これがまた何かに実を結んでさらなる楽しいこと、良いことを導けるように、頑張ろうと思います。



颯人通信も今回で一区切りとなってしまいます。可能であれば大学生になってまた、再開できたらと切に願います。そのために努力をしないと…

今まで見ていただきありがとうございます。皆さんの目に素敵な報せを届けられるよう精進します。

薮内颯人

 【颯人通信目次】

第一回「コーヒー好き高校生、初海外でティモールへ!」

第二回「初めてへのワクワク、美しい伝統文化」

第三回「楽しい生活とおいしいコーヒー」

第四回「恋しい日々、恋しい出会い」

第五回「溢れるほどの星空と、異文化交流」

第六回「コーヒーの魅力と、未来への期待」

第七回「ティモールという異文化の社会を訪ねて」

第八回「終わりが近づく!気づきや確信」

第九回「2019最後の東ティモールより」

第十回「帰国、それから」

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